この記事では、エレベーターメンテナンス業界に転職を考えている人に向けて、元エレベーターメンテナンス員が1日の流れや良い所、大変な所をリアルに紹介しています。
詳しく書いていますので、転職に悩んでいる方や興味のある方はぜひご覧ください!
エレベーターメンテナンス員の1日ってどんな感じ?
基本的には朝から夕方まで数台のエレベーターを点検することになります。
その日にもよりますが、1日に大体5台前後のエレベーターを点検します。1台1~2時間を目安に移動込みで1日に回れる数がそのくらい、ということですね。
一つの物件に6台ついている場合などは、1日を使ってその1物件を点検することもありますね。
出勤時間は基本朝から夕方になると思います。ただし、土日、早朝や夜間指定の物件がある場合はその時間に出勤しなければならない(商業施設とか)ので体力的にきつい日もあります。
会社によるとは思いますが、人材不足な業界なので基本一人で点検に出ることになると思います。自転車で回るか、車で回るかは会社や行く物件ごとで違いますので確認しておいた方がいいです。雨の日は大変ですからね。
最初のうちは、慣れるまで先輩や上司と一緒に現場に行き仕事を教わる感じですね。専門的な事が多いので、未経験者は慣れるまで大変だと思います。かと言って慣れれば勉強しなくても良いかと言われるとそうではないです。色んなケースの故障を直すため、知識が必要です。そういった面では「やりがい」はあると思います。
点検を回っている最中に他の物件で故障が起きた場合は、その日に予定していた物件を後日にさせてもらい、故障物件の緊急対応に行くこともあります。その緊急対応が徹夜になることも普通にあります。
何事もなく1日の点検を終えた日は、事務所に帰ってその日の事務処理や報告書の処理をします。会社によっては、部品発注や工事の段取りなどをしなければならない場合もありますね。独立系や、人が足りていない会社は必然的に仕事量が増えると思っておいて間違いないです。
まとめると、
- 出勤したら準備して点検予定の物件に行く。(早朝点検などの場合は前日に準備し直接行くことも)
- 1日に予定された物件数件、エレベーター数台を回って点検する。
- 日中、故障が起こればそちらに急行することもある。
- 故障が無ければ夕方帰社し、その日の事務処理&他の業務(会社によりどこまでやるかは結構違う)
大体こんな感じだと思います!来月の予定組みやアポ取り、部品の発注や選定などその他付随する業務はたくさんありますが、メンテナンス員がどこまでやるかはその会社によります。
全部やると結構大変な仕事だと思います。ほとんど定時には帰れなかったですね。逆にメンテナンスと最低限の仕事だけでいい会社だと結構良い仕事かなとは思います。
エレベーター点検の危険度は?
結論から言いますと、危険度は高い仕事だと思います。点検中に命を落としてしまったという、悲しいニュースも結構目にしますよね。
- 機械的な挟まれ事故
- 電気的な事故
- 高所作業による危険性
などなど、点検や工事中は常に危険が伴うと思っておいてください。家族からは心配される仕事かもしれませんが、事故の原因は大体当事者にあるのも確かなので、注意力散漫な人は向いてないかもしれません。
特に二人作業が一番危険です。自分が気を付けていても相手のミスにより命を落とすこともあります。逆に言えば、自分が加害者になる可能性もあるということを肝に銘じておきましょう。
ただ、気を付けて一つ一つの作業をすれば滅多に事故はおきません。
エレベーターメンテナンス員の良いポイントは?
それでは個人的に働いていて良かったポイントを紹介していきます。
専門的な知識が身に着く
これはかなり身に付きますね。特に故障対応をすればするほど経験値と知識が付いていきます。独立系の会社だと様々なメーカーのエレベーターを点検することになります。
昨今メンテナンスフリーが謳われていますが、結局まだまだ人間が必要な業種だと思いますし、エレベーターは増えていく一方なので、今後に役立つ知識が身につくと思います。
実務経験年数を積み、「昇降機検査資格者」になる事が出来れば重宝されますので、ぜひ目指してみて下さい。
一人の時間がある
基本的には1日を通して一人で行動する方が多いと思います。もちろんチームや複数人で行動する日もありますが、一人作業は結構多いですね。
気が楽といえば楽ですが、どうしても一人では難しい故障に当たった時は誰かに頼らないといけないので、コミュニケーションは大事な現場だと思います。
機械や電気に強くなる
エレベーターを点検することにより「電気的」な部分と「機械的」な部分の力が付いていきます。これにより普段生活する上で分からなかったことが分かるようにもなりました。ただ、それなりの勉強は必要ですけどね。
例えば自宅のコンセントを増やすとか。ちょっとしたことが出来るようになるのは良いことだと思います。あとは危険予知能力も付いてきますね。
運動量がちょうど良い
これは僕個人的な意見ですが、車移動と現場作業がちょうど良いバランスですね。というか、結構楽でした。年齢が若ければ若いほど体力的には楽な仕事だと思います。
エレベーターメンテナンス員のきつい所は?
さてここからはエレベーターメンテナンスの仕事できつかった、大変だったポイントを紹介していきます。これが理由で業界を離れる人もたくさんいるので、ぜひ参考にしてください。
緊急当番時は24時間いつでも出動
これは心身ともに結構きついですよ。向き不向きがあると思います。
深夜寝ていたとしても、子供と遊んでいたとしても、24時間電話が鳴ったらすぐ出動しなければなりません。当然当番の日はお酒が飲めませんし、常に電話を気にする生活になります。
いつ故障対応に行くか分からない状況なので、気が張る生活が苦手な方は向いてないと思います。それだけでストレスになりますからね。逆にいつでも出動OK!故障対応どんとこい!と思える方にとっては、良い仕事かもしれません。
緊急対応の手当が大体どの会社もあると思うので、当番に入れば入るだけ稼げるとは思います。
何人で当番を回すかにより、1カ月の当番日数は変わってきますが、会社によっては同じ人1~2人で常に緊急待機していることがあるのでなかなか大変です。
故障対応で徹夜することもある
例えば9時に出勤して、夕方まで点検を回ってヘトヘトになっていたとします。そんな時故障の電話が来た場合、そこからまた現場に行って故障の原因を突き止め、基本的には直さなければなりません。
どこが故障しているか難しくて分からない場合は、何時間も調査し部品を交換してみたりして気が付いたら朝なんてことも普通にあります。どんなに経験を積んでいる作業員でも難しい故障というのはやっぱりあります。
仕事を終えて、家に帰りお風呂から上がった瞬間に重故障の連絡が来たらなかなかきついですよ(笑)
正直定時という感覚は無い
働き方改革が進んでいるとはいえ、やはりメンテナンス会社ごとに意識の度合いは違いますね。毎日21時過ぎまで仕事しているなんて当たり前の会社もあればなるべく定時に帰れるように動いてくれる会社もあります。これはどの仕事も同じだとは思いますけどね。
ただ、やはり故障対応があるので定時という感覚はあまり無かったですね。仮に仲間が故障対応していたとしても助けがいるかな?とかやっぱり気になりますからね。
地震などの災害時はひたすら出動
エレベーターに地震感知器が付いている場合(ほぼ付いている)は、強い地震が起きると停止する場合があるので、現場に復旧に行かなければなりません。
例えばメンテナンスを請け負っているエレベーターが1000台あった場合、それを復旧に行くとなると全員出動になりかねません。
地震の時は家族の近くに居たい気持ちを抑えて、誰かの為に働かないといけません。
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